Sunday, August 19, 2007

迷惑メール Spam mail 垃圾电邮

№020
2007年8月


Spam mail

垃圾电邮
(Lā jī diàn yóu  ラー チー ティエン ヨウ)

 メールアドレスを持つ読者なら、誰しもこの種の電子メールを受け取ったことがあるだろう。携帯電話やパソコンへ一方的に送りつける迷惑メールに対して、総務省はようやくこれを規制する動きに出てきた。先月「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会」が開かれ、送信者への罰則、偽のサイトに誘導して個人情報を引き出す「フィッシングメール」への対策が提起されている。そして、来年の通常国会で「特定電子メールの送信の適正化に関する法律」として改正案を提出する方針でいる。
 米国では、すでに「迷惑メール防止法」が成立しており(2004年1月)、「Spam mail」とよばれている。差出不明のもの、紛らわしいタイトル、成りすましといったEメールの送信は違法であり、違反者には200万~600万ドル(約2.2億~6.6億円)の罰金が課せられる。最悪の場合には最長5年の懲役もあり、IT社会らしい厳しい掟である。
 Spamは情報化社会にあっての新語で、大量広告という意味合いを持つ。日本語のように迷惑という意味はなく、Spamは受信者の一部には受け入れられることもあるとした考え方が含まれているかもしれない。また、米国では「Junk mail」という言い方がある。こちらの方が日本人にはわかりやすく、受け入れ難い「ゴミ」のイメージが湧いてくるだろう。同じ表現の手法で中国は、「垃圾电邮(ラー チー ティエン ヨウ)」という言い方が定着している。垃圾(ラー チー)はゴミを意味し、电邮(ティエン ヨウ)は郵便物を指す。
 ところで、迷惑メールの主な発信地は中国であることを、読者はご存知だろうか。日本からの委託を受けて、メールの送信代行をビジネスにする中国業者がおり、メールアドレス情報を大量に保有しているとされる。日本で規制を強化し法制化したとしても、治外法権の中国では取り締まれない。まさに「仏作って魂を入れず」であろう。
(バル2世)