Saturday, August 20, 2005

マニフェスト Manifest 宣言

№014
2005年8月
マニフェスト

Manifest
宣言
(Xuān yán ショアン イエン)

 郵政民営化法案の否決を受けて、小泉首相は衆議院の解散という伝家の宝刀を抜いた。受けてたつ民主党は、前回の総選挙と同様にマニフェストの手直しにかかり、政権構想を示す「岡田政権500日プラン」が発表された。
 これまでの候補者が出す選挙公約とは異なり、マニフェストは政権獲得を前提に政党が出す公約を指している。どの予算で、何を盛り込み、いつまでに実行するかという公約であり、国民の負託を受けた党の明確な約束ごととされている。
 日本では1988年の統一地方選挙の頃から使われはじめ、前回(2003年)の総選挙で民主党が宣言したため他党もこれに追随している。いまや、日本の選挙はマニフェストなしで選挙戦に臨めない状況となっている。8月19日、自民党は120項目に達するマニフェストを公表し、冒頭で「参議院において否決された民営化関連6法案を次期国会で成立させる」と明記した。
 タイトルのManifest、その由来は19世紀の欧州にさかのぼる。1848年マルクス、エンゲルスが共産主義の見解を示した「共産党宣言」があり、その著書がドイツ語の「Das kommunistische Manifest」 とあった。マニフェストはドイツ語を発祥としており、その後イタリア共産党が現実的な内容に改めたことによりイタリア語の「manifesto」で流布するようになった。
 現代の日本でマニフェストといえば、民主党のお家芸のようになっているが、元祖は共産主義者にあったことは意外に知られていない。中国革命以前の1920年、当時の指導的な立場にあった陳独秀が「中国共産党宣言」を発表し、これをきっかけに労働者階級の立ち上がりをもたらした。
 中国語では自分たちのマニフェストを「宣言(ショアン イエン)」としているが、日本のマニフェストの場合は「政権公約(チョン チュアン コン ユエ)」と訳している。マニフェストの日本語訳をそのまま使っているだけであろう。むしろ、中国にとって気になるのは小泉首相の靖国神社参拝であり、マニフェストに盛り込まれなかったことで胸をなでおろしている。
(バル2 世)

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