Sunday, June 11, 2006

ファンドマネージャー Fund manager 基金经理人

№016
2006年6月


ファンドマネージャー

Fund manager

基金经理人
Jī jīn jīng lǐ rén チー チン チン リー レン)



 「日本のM&A三剣客」といったら、誰であろうか。4000億円のファンドを率いる村上代表が逮捕された日、中国のマスコミでは「村上世彰、堀江貴文、三木谷浩史」の三氏を取り上げて、彼らを「併購三剣客(ピン コウ サン チエン コー)」と称して報道した。「併購」はM&Aのことである。
 ここ数年、日本で仕掛けたM&Aの三大人物であるが、実はこの三人の職業は一人だけ異なる。そう、村上世彰氏が他の二氏と同じ企業経営者でなく、村上ファンドを運営するファンドマネージャーであることだ。中国証券報は村上氏の肩書きを「代表」でなく、「基金経理人」としており、この表記は実に正確であると私は感じた。
 ファンドマネージャーは運用資産の受託をもとにこれを管理・運営していく人であり、その役割は投下資金のハイリターンを実現することである。設立された当初の資金が40億円であったから100倍になっており、その手段の適正はともかく実に優秀なファンドマネージャーであったといえる。
 日経新聞の経営者緊急アンケートでは、村上ファンドによる産業界への影響として否定的な評価が67%を占めていた。投資ファンドは企業経営者にとって自らの地位を脅かす存在であるから、これは当然の調査結果であろう。ところが意外にも逮捕された後も、同氏を支持する多くの人がおり、一般投資家から見れば株主の監視による経営の緊張と規律を高めたことは否定できないでいる。
 しかし、株主価値の向上を提唱する村上氏といえどもインサイダー取引に嫌疑がかけられた以上は、マーケットに混乱をもらし、他の株主の利益を損なったことは事実である。投資ファンドへの規制を強化する動きが予想されるが、過度な規制も市場の活気を削ぐことは何としても避けたいところだ。今後、ものを申す株主が増え、経営者の意識改革が推進されるとしたら、村上ファンドの功罪は相半ばとする評価を私は下したい。
(バル2 世)

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