Saturday, July 29, 2006

テポドン2号  Taepodong-Ⅱ  大浦洞二号

№017
2006年7月

テポドン2号
Taepodong-Ⅱ

大浦洞二号
(Dà pǔ dòng èr hào ター プー トン アル ハオ)

 北朝鮮が5日に発射した長距離弾道ミサイル問題で、「テポドン」が国際社会の物議を醸しだしている。すぐさま、国連の非難決議案が採択され、先に開催された東南アジア諸国連合の地域フォーラム(ARF)でも議長案の冒頭には「ミサイル発射に憂慮」を表明する文言が掲げられた。残念なことは、北朝鮮が態度を頑なに多国間協議へのテーブルにつかないことである。
 その「テポドン」とは、もともと北朝鮮にある小さな村の地名からつけられた米軍のコードネーム「Taepodong」であることはあまり知られていない。北朝鮮側ではこのミサイルを「白頭山(ペクトゥサン)」とよんでいる。米軍の人工衛星から確認された地名がたまたまテポドンだっただけであり、特定のミサイルを認識するためだけの命名であった。中国語では「大浦洞(タープートン)」とよばれており、漢字にあてはめると地名の由来がいっそうはっきりしてくる。「洞」(トン)というのは、韓国や北朝鮮の地名に多い「村」とか「町」と同じような意味をもっており、地名接尾辞の役割を持っている。
 もうひとつ、北朝鮮の短距離ミサイルである「ノドン」について、これも米軍がミサイルを確認した地名から来ており、中国では「盧洞(ルートン)」とよばれている。いずれも「村」とか「町」と同じような接尾辞がついており、きな臭い軍事基地のイメージがない。北朝鮮側はノドンを「木星」または「火星7号」とよんでいるようで、先の白頭山と同様に象徴的な名前をつけている。大量破壊兵器として使われるミサイルが「人の住む憩いの場」を連想させるような地名であてがわれ、国際社会で広く使われていることはいかにも皮肉な結果になっている。
(バル2 世)

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