Wednesday, May 03, 2006

ライブドア  Livedoor  活力门

№15
2006年5月



ライブドア

Livedoor

活力门
(Huó lì mén フオ リー メン)



 一世を風靡したライブドア株が、ついに上場廃止となった。東証マザーズでの最後の取引値は94円。あとに残ったのは15万人(3月末)の株主と今後発行される大量の株券かもしれない。上場廃止後の東証マザーズの取引は10分の1に激減し、ライブドア株の市場からの退出は新興市場につめ跡を深く残している。
 この数年、彗星のごとく登場し、ホリエモンの愛称で親しまれてきた元ライブドア社長堀江貴文氏が先月末保釈された。証券取引法違反の容疑で逮捕されてから3ヶ月ぶりのことである。1996年に「オン・ザ・エッジ」の社名で創業し、わずか4年で東証マザーズに上場させた。株式の分割、積極的なM&Aを展開する一方で、日本最大の無料プロバイダーを運営する「ライブドア」の営業権を譲り受け、2004年2月に現社名に変更した。近鉄バッファローの買収にも名乗りをあげ、日本放送株をめぐってフジテレビとの壮絶なバトルを展開し、当時の社長ホリエモンは一躍、時の人となった。
 ライブドアの名は世界の耳目も大いに集め、中国でも話題になった。ライブドアの中国名は「活力門(フオ リー メン)」。「活力」の和訳は文字通りで、「門」は「入り口、ドア」の意味になる。しかし、「活」のニュアンスは日本と少し違うようで、「生きているもの」「Live」の意味合いが強いのだろう。よく、中国を旅行して生け簀(す)のあるレストランで魚を注文すると、「活的(フオ ト)」(生きているもの)といって新鮮な素材を薦められる。
 停滞していた日本経済が回復軌道に乗り始め、日本の株式市場はV字型回復を示した。昨年1年間に凝縮されたライブドアの派手な仕掛けは、中国からみてまさに「活力」の象徴であったし、「活力門」はこの会社の当て字として傑作であった。しかし、17%の株式を持つ筆頭株主が逮捕者の堀江貴文氏であることは、信頼回復を目指すライブドアにとって大きな負の遺産となっている。

(バル2 世)